女装十五少年漂流記: 十五連結トコロテン=トレイン

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安芸育緊急インタビュー2017/05/29

安芸「みんなー、元気ー?  昔は無人島でサバイバル女装生活やってた安芸たんだよ。嘘だよ。ただのおっさんだよ。無人島なんて行ったことなんて無いよ。何か言えというのでインタビューに答えるよ」

編集「それはいいから。それは飽きた。安芸たんだけに」

安芸「ダジャレはいいから」

編集「じゃあずばり質問しますが、2017年5月26日頃から急に女装十五少年漂流記・十五連結トコロテン=トレインが跳ね上がって、土日が終わるまでハイペースで売れた現象をどう思いますか?」

安芸「夢だね」

編集「信じてない……」

安芸「夢の中なら何でもできるよ。ほら飛べる。あれ飛べないや」

編集「じゃあ、この小説を話題にしている人も多いようなので、そういう人たちに何か言いたいことはありますか?」

安芸「買ってくれたら大切なお客さまだ! 読んでくれたら大切な読者さまだ」

編集「では、ネットの反応を見ると、十五連結というワードに反応している層と、ノンケの男にホモをさせる内容について反応している層があるようですが。そもそも、どうして十五連結なのでしょう。どうしてホモなのでしょう?」

安芸「君だよ君」

編集「は?」

安芸「女装小説が売れているから次も頼むって企画を持ちこんだのは君。最初は、水着を着た少年の集団ものとして、名門!第3水泳部という企画だった。第1水泳部が男子水泳部で第2が女子で第3が女装水泳部。でも、今どき名門!第3水泳部といってもネタが通じないので、女装十五少年漂流記に変更されたが、水着女装の集団少年ものという路線は維持された。全員が競泳水着女装しているのは企画が名門!第3水泳部だった頃の影響だね。でも、女装十五少年漂流記も君のアイデア」

編集「はぁ」

安芸「しっかりしろよ。しれっと他人にアイデアの発案者を押しつけるな」

編集「では、十五連結というワードはどのような経緯で着想されたのでしょうか」

安芸「君だよ君」

編集「は?」

安芸「君は電車が好きだから、『男の娘が連結してトコロテントレインってのはどう? 15人いたら最大十五連結!』っていうから、十五連結トコロテン=トレインになった。これも君のアイデア」

編集「いやいや。これは困った。これでは安芸先生インタビューではなく、編集インタビューだ」

安芸「立場を入れ換えよう」

編集「だめだめ。やっぱり書いたのは安芸先生だから。安芸先生として注目して欲しいところはどこですか?」

安芸「今どき人が来ない秘境はあり得ないの。だから、ロビンソン・クルーソーもスイスのロビンソンもふしぎな島のフローネも成立しないの。だから、いろいろと孤島ものを成立させるために設定を工夫した」

編集「危険物質のある隔離された島であるとか、内戦状況なのですね」

安芸「そうそう」

編集「他には?」

安芸「『2年間の休暇』って台詞を入れたところ。ダブルミーニングでこれは2年間も隔離されるという意味と、もう1つの意味がある」

編集「もう1つの意味は難しいのですか?」

安芸「ネットで検索すると一発で分かるよ。簡単簡単」

編集「キャラクターについてはどうですか?」

安芸「主要キャラは良いキャラが揃ったね。むっつりスケベのハカセとか。ちゃんと可愛いヒメとか。いやいや付き合ってくれる従兄弟の黒森とか。でも主人公の土門がいちばん念入りに作ったかな」

編集「土門のどういうところが見どころですか?」

安芸「自尊心は大きいが間抜け。何かあると真っ先に犯人と疑われる。それでいて妙に親切で人気は高い」

編集「万丈目サンダーみたいなキャラということですか?」

安芸「知らん。誰だそれ」

編集「万丈目サンダーもとい土門はボスが好きなのになぜ反乱して土門灯台に行ってしまうのですか?」

安芸「そこが土門のキャラクター性でさ。プライドが邪魔をして素直になれないのだ。しかも、なまじ人気があるから他人を巻き込んでしまって、ますます後には引けなくなる。でも土門の真の望みは、馬鹿なことをしている自分をボスに叱ってもらうことにあるわけだ」

編集「他の作品の主人公はそうなっていないように見えますが」

安芸「そう。他の女装小説の主人公は基本的に読者の分身。読者の代わりに願望を充足する存在。でも、この小説は違う。間抜けな土門の間抜けな言動を読者が見守る小説」

編集「これ以上やるとネタバレが行きすぎそうなので、話を変えましょう」

安芸「まだやるの?」

編集「読者が勝手にカップリングを考えたらどう思いますか? たぶん、15人も少年がいて名前が付いていると、頭の中でホモ関係を想像してカップリングを考える人が出てくると思いますが」

安芸「小説は読者の手元に行った時点で読者のものだから、何でも自由に妄想していいと思うよ」

編集「安芸先生の考えた設定と違っていても良いのですか?」

安芸「構わない。設定とは小説を書くために構想されるものであって、小説が完成してしまったら無意味さ」

編集「この小説が終わった時点で土門総受け状態になると理解してよろしいでしょうか?」

安芸「そういう成り行きに素直に行くかどうかは分からない。まあ読者が自由に妄想してくれ」

編集「宇宙戦艦ヤマトIIIの主人公の名前が土門ですが何か関係ありますか?」

安芸「無いよ。土門の名前はドニファンのもじりだから」

編集「土門の女性名はサンディですが、マシュマロ通信と何か関係ありますか?」

安芸「無いよ。土門→土→サンド→サンディだから」

編集「女装十五少年漂流記を英訳すると、椅子人島はチェアマン島になると思いますか?」

安芸「それは翻訳する人次第だろう」

編集「ではこのあたりで終わりましょうか」

安芸「待て。質問が一つある。なんで君は女装十五少年漂流記というタイトルを思い付いた?」

編集「女装少年という文言をタイトルに入れた本を安芸先生が書いたら売れそうな気がしたので、少年という言葉がタイトルに入った有名作品を探したんだ。できれば先頭が良かった。十五少年漂流記というタイトルは少年が先頭ではなかったが少年は入っていた。しかも割と有名だ」

安芸「まさかと思うがそれだけか?」

編集「それだけ……」

安芸「じゃあ、なぜ少年アシベは選ばれなかった?」

編集「さすがにタイトルにアシベという固有名詞が入るとちょっと……」

安芸「じゃあ次は女装少年メシベだな」

編集「勘弁してください」

安芸「では今日は終わりだ」

編集「ありがとうございます」


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